
モネロ、売り圧力の強まりで1日で15%急落
モネロ (XMR)は、主要なプライバシーコインとして、わずか24時間で約15%も下落し、今週は強い売り圧力に直面しています。この下落は、XMRが165ドルから420ドル超まで急騰した7週間のラリーの後に起こりました。水曜日には価格が約325ドルまで下落し、先物データやオンチェーンの動向からは、少なくとも現時点では弱気なムードが優勢になっている可能性が示唆されています。
時価総額は11%以上減少し63億ドルとなる一方で、取引量は22%増加しており、これは投資家の間で今回の調整が単なる一時的な押し目なのか、それともより深刻な下落の始まりなのか不確実な状況を生んでいます。
先物データが示す高まる市場の圧力
まずは基礎的な動きを見てみましょう。価格が下落している中で先物取引が活発化するのは通常あまり良い兆候ではありません。Coinglassによると、モネロのオープンインタレスト(OI)は今週16.137万XMRに達し、12月20日以来の高水準で、わずか3日間で20%も増加しています。
価格下落中のオープンインタレストの増加は、新たなショートポジションの増加を示唆し、トレーダーがさらなる下落を予期していることを意味します。これは単なる通常のボラティリティ以上のもので、市場センチメントの変化を表しています。特に注目すべきは、その変化の速さです。モネロのFCMP++アップグレード期待や米国での規制強化の注目を背景に数週間続いた楽観ムードが、一気に弱気へと転じたことは多くの人を驚かせました。
とはいえ、経験豊富なトレーダーにとっては、2か月足らずで150%の上昇の後の押し目は珍しいことではありません。ただ、この調整のスピードと深さは注目されています。
オンチェーン指標が示す増大する売り圧力
この調整には、さらに深い要因があり、それはブロックチェーン上のデータに由来しています。オンチェーンデータによると、今回の調整は単なるテクニカルなものだけでなく、センチメントによっても引き起こされていることがわかります。CryptoQuantによれば、モネロのスポットCVD(累積取引量差分)は数日間マイナスのままで、売り圧力が買い圧力を上回っている状態が続いています。
もう一つの重要指標はテイカーCVDで、市場の買い注文と売り注文の差を測定します。こちらも5月初旬以降マイナス圏内にあり、売り注文が量だけでなく攻撃的に増加していることを示しています。
さらに複雑なのは、個人投資家の関与が明らかになっている点です。CryptoQuantの「取引頻度による先物個人投資家活動」指標は、個人投資家の取引参加が目立って増加していることを示しています。過去において、ラリーの終盤で個人投資家の取引が急増すると局所的な天井を示唆することが多く、今回もそのパターンが繰り返されているように見えます。
モネロはさらに下落するのか?
テクニカル的に見ると、モネロは弱さを見せています。相対力指数(RSI)は70の過熱水準を超えられずに49まで下落し、中立ラインを下回ったことで弱気の勢いが強まっていることを示しています。同時に、移動平均収束拡散法(MACD)もマイナスに転じ、これはトレーダーにとって典型的な売りシグナルとされています。
現在のトレンドが続けば、4月の安値185.93ドルから5月の高値420.08ドルまでの動きを基にした50%のフィボナッチ・リトレースメント水準303.61ドルまで価格が戻る可能性があります。これは大幅な崩れではないものの、今回の下落が単なる一時的な押し目以上であることを確認する動きとなります。
とはいえ、強気派が完全にコントロールを失ったわけではありません。需要が回復しXMRが300ドルの重要サポートを維持できれば、回復の可能性は残っています。センチメントが改善し、個人投資家の売り圧力が落ち着けば、380~400ドルのレンジへの回帰も視野に入るでしょう。
しかし、その結果はまだ不確かで、現時点では弱気の勢いが優勢と見られます。
モネロの今後に何が期待できるか?
モネロの最近の下落は、市場センチメントがいかに急速に変化するかを示しています。数週間の楽観ムードの後、先物とオンチェーンのデータは共に強い弱気の勢いを示しています。増加するショートポジション、激しい売り、そして個人投資家の活発な取引は、市場が圧力下にあることを物語っています。
とはいえ、状況は改善する可能性もあります。300ドル付近の重要なサポートが機能すれば、センチメントの変化によりモネロは最近の高値に戻ることも考えられます。ただし買い手が再び入り込むまでは、さらなる下落リスクも残ります。トレーダーたちはXMRが安定するか、それともさらに下落を続けるのか、注視しています。
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