GENIUS法案 ステーブルコイン規制法案が今週水曜に可決されるかもしれません

6月11日（水）、上院はGENIUS法案を前進させる可能性があり、これにより連邦レベルでの明確なステーブルコイン規制の確立に向けた大きな一歩となります。この法案は、急速に発展するステーブルコイン市場に対して、初の包括的な規制枠組みを作ることを目的としています。長期にわたる議論や複雑な交渉を経て、承認に向けた勢いが高まっています。

上院承認への道筋

上院多数党院内幹事のジョン・トゥーン氏は最近、重要な手続きを踏み、改正案＃2307のクロージャー（討論制限）申請を行いました。この改正案は、元の法案（S.1582）に代わる重要な超党派提案です。クロージャーは、長引く討論を制限し最終投票へと進めるための上院の手続きです。クロージャーが認められると、30時間の討論期間が始まり、その後に改正案および法案全体の投票が行われます。

この手続きは重要で、GENIUS法案はフィリバスター（議事妨害）を乗り越えるために最低60票が必要とされています。上院筋によると、最終投票は水曜日に行われる可能性が高いものの、予期せぬ問題がなければの話です。ビル・ハガティ上院議員、カーステン・ギリブランド上院議員、シンシア・ルミス上院議員、クリス・ヴァンホーレン上院議員らは、党派を超えて協力し法案の形成に尽力しています。

ハガティ改正案の主要な特徴

改正案＃2307は「ハガティ改正案」とも呼ばれ、銀行業界と暗号通貨業界双方の懸念に対応するために法案を大きく修正しました。中心的な特徴は、段階的な規制枠組みの導入です。時価総額が100億ドル未満のステーブルコイン発行者は州レベルでの規制を選択でき、それを超える発行者は連邦規制の対象となります。この仕組みは、イノベーションと必要な安全対策のバランスを取ろうとするものです。

改正案のもう一つの柱は透明性と消費者保護です。発行者は1:1の準備金を保持しなければならず、その準備金は国債や米ドル現金など流動性の高い資産で裏付けられます。また、毎月の証明書提出と公表義務を通じて継続的な支払い能力を示す必要があります。さらに、利息を支払うステーブルコインは禁止されており、これは利回りを提供する暗号資産に対する伝統的な銀行の警戒感への配慮と言えます。

この改正案は国家安全保障にも配慮し、米国の同等の規制監督がない外国発行のステーブルコインを制限します。加えて、大統領を含む行政機関のメンバーが国家ステーブルコインを発行または支持することを禁止し、議会の権限を強化しています。

上院投票後の展開

上院がハガティ改正案およびGENIUS法案全体を可決すれば、法案は下院に送られます。下院ではSTABLE法案という関連法案が進行中で、両法案は多くの基本原則を共有していますが、カストディ（資産保管）規則や州の規制優先度の違いなど調整が必要です。

この調整が成功し、統一的な法整備が実現すれば、連邦レベルでのステーブルコイン規制における転換点となり、大きな安心感を市場にもたらします。これは暗号通貨業界だけでなく、ステーブルコインを決済やその他サービスに利用する伝統的金融機関や顧客にも広範な影響を及ぼします。

これまでステーブルコイン規制はグレーゾーンで、州ごとに対応が分かれていたため不透明感がありました。GENIUS法案はイノベーション促進と市場の健全性保護を両立させる明確なルールで、この規制の空白を埋めることを約束しています。

なぜこの法案が重要なのか？

GENIUS法案の成立は、米国におけるステーブルコイン管理の大きな前進です。急速に進化する市場を安定させ、明確にする枠組みの構築を目指しています。下院での最終決定はまだですが、今週の上院投票は注目すべき重要な進展と言えます。

この法案は今後のデジタル資産規制の基盤となり、米国の金融法制の重要な進化を象徴するものになるでしょう。