
トランプ・メディア、ビットコイン&イーサリアムのデュアルETFでSEC承認を目指す
トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ社(TMTG)は、暗号通貨市場への取り組みを再び強化しています。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の電子取引部門であるNYSE Arcaは、SEC(米国証券取引委員会)に対し、Truth Socialに関連する上場投資信託(ETF)の上場に関する規則変更の申請を行いました。
このETFは、投資家にビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)へのエクスポージャーを提供することを目的としています。この動きは、伝統的な金融機関や新興のソーシャルメディア企業が、規制された暗号通貨市場での地位を確立しようとする動きを強めていることを示しています。
NYSE Arcaの提案を詳しく見る
この取り組みの中心には、NYSE Arcaが提出した19b-4フォームがあります。これは1934年の証券取引法に基づく重要な規制申請であり、これによりSECはTruth Socialのビットコイン・イーサリアムETF(ティッカーシンボル「BT」)の正式審査を開始します。このティッカーは、ソーシャルメディアのダイナミクスとデジタル資産投資の新しい融合を象徴しています。
連邦官報に掲載された後、SECは45日から240日の間にこの提案を評価します。審査期間は長引く可能性がありますが、市場への影響や投資家保護の観点から入念な検討が行われることを意味します。SECが暗号通貨ETFに対してこれまで慎重な姿勢をとってきたことを踏まえ、市場関係者はこのプロセスを注視しています。
ETFの構成と主要パートナー
このETFは時価総額で最大の2つの暗号資産、ビットコインとイーサリアムに焦点を当てている点が特徴です。トラストは3:1の比率でこれらの資産を保有する計画で、ビットコインがイーサリアムの約3倍の割合となります。この配分は、ビットコインの確立された地位とイーサリアムの成長性のバランスをとることを目的としています。
スポンサーは市場動向や投資家の好みに応じてこの比率を調整する柔軟性も持ちます。Crypto.comがカストディアン(資産管理者)、プライム・エグゼキューション・エージェント、流動性プロバイダーを務め、堅実な運用支援とスムーズな取引を保証します。トランプ・メディアはETFのブランドライセンスを保持し、Yorkville America Digitalがスポンサーを務めており、フィンテックとメディア企業が協力して伝統的な投資プラットフォームに暗号資産を組み込む流れが強まっています。
トランプ・メディアのETF戦略の市場への影響
この申請は、Truth Socialの成長戦略の一環を示しています。今月初めには、ビットコイン単独のETF上場に関する別の19b-4フォームが提出されており、SECの承認待ちで、決定は2026年1月29日までに下される見込みです。ビットコインとイーサリアムを組み合わせたETFの導入は、より積極的な分散投資のアプローチを示し、TMTGがソーシャルメディア事業の枠を超えて事業を拡大しようとしていることを示唆しています。
特に5月下旬には、トランプ・メディアが約23億ドルの財務準備金をビットコインに割り当てる意向を明らかにしましたが、現時点で購入は確定していません。この計画は、同社が暗号通貨を自社の財務基盤により深く統合しようとする姿勢を示しています。
業界全体としては、このETF提案は規制された暗号資産商品への関心の高まりを反映しています。特に機関投資家の間で、規制をクリアしつつ主要な暗号通貨にアクセスできる商品への需要が増加しています。この流れは、規制上の課題が依然としてあるものの、市場が成熟しつつあることを示しています。
今後の展望
NYSE ArcaでのTruth Socialビットコイン・イーサリアムETFの上場は、暗号資産と伝統的金融の双方にとって重要な節目となる可能性があります。SECの承認が得られれば、投資家は単一の簡便な商品を通じて暗号資産を多様化できる規制された道が開かれることになります。
とはいえ、SECが暗号通貨ETFに対して慎重な姿勢を崩しておらず、かつ複数資産を組み合わせたこの商品の複雑さもあるため、承認は確実ではありません。しかし、トランプ・メディアの申請は、ソーシャルメディアの影響力とデジタル資産投資を融合させる強い意志を明確に示しています。
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