
40億ENAトークン解放を目前に控えたEthenaの価格がレジスタンス近辺で停滞
Ethenaは最近、重要なレジスタンスライン付近で苦戦しています。現在は約$0.2607で取引されており、過去1ヶ月で14%以上下落しています。この下落は、7月2日に予定されている約4,060万ENAトークン(時価1,000万ドル超)の大規模なリリースを控えてのものです。このようなイベントは、市場の注目を集めると同時に期待と不安が入り混じることが多いです。
大規模トークンリリースを前にした価格の膠着
直近1日間で、ENAの価格は約$0.2507から$0.2659の慎重なレンジで推移しています。この膠着は重要なレジスタンスラインのすぐ下で起こっており、売り手がポジションを守ろうとしている様子がうかがえます。差し迫ったリリースでは、流通量の約0.67%にあたる約4,063万ENAトークンが放出されます。一見するとわずかに見えますが、これは段階的にトークンの供給量を増やしていく長期的なベスティングスケジュールの一部です。
現在、最大供給量150億ENAのうち約39%のみが流通しています。つまり今回のような定期的なリリースは、新たに市場に出るトークンによって一時的に売り圧力が強まる可能性があります。しかし過去のリリースでは、急激な下落や長期的な下押しにはつながっていません。とはいえ、最近の市場参加者の動きが鈍っている中でのタイミングは一層複雑さを増しています。
取引量の減少と価格動向への影響
市場データによると、トークンリリースを控え取引活動が顕著に減少しています。過去24時間でENAの取引量は約20%減少し1億200万ドルとなりました。一方、デリバティブ取引量はさらに大きく37.7%減少し3億1,675万ドルとなっています(Coinglass調べ)。オープンインタレスト(未決済建玉の指標)も3億1,906万ドルへ減少しました。
このような取引量とオープンインタレストの減少は、トレーダーの慎重姿勢が強まっていることを示しています。市場参加者は供給増加による価格への影響を見極めようと様子見しているようです。供給増が需要に追いつかなければ価格は下押しされる可能性があるため、この慎重さは理解できます。ただし、これまでのEthenaのエコシステムは同様の状況を乗り越えてきました。
テクニカル指標の概要
テクニカル的にはENAは依然として強い売り圧力下にあります。短期の10日移動平均線から長期の200日移動平均線まで、多くの移動平均線が売り圧力を示しています。ENAは20日指数移動平均線および単純移動平均線を下回っており、短期的な勢いは弱い状態です。RSI(相対力指数)は41.4付近で、売られ過ぎに近づきつつも現時点では中立的です。
モメンタムとMACD指標は回復の兆しを示唆していますが、まだ反転を確信できるほど強くはありません。ボリンジャーバンドは収縮し、変動率が低下しています。ENAの価格が下限バンド付近にあることは不確実性をはらみ、今後の取引次第で下落か反発かが決まるでしょう。
ENAが$0.25付近のサポートを維持し、トークンリリースを乗り切れば、$0.28付近までの戻りが期待できます。$0.28を突破すれば、$0.30から$0.32のレジスタンス帯を目指せるでしょう。一方で、$0.25を割り込み、特に取引量が低くトークン供給が増加している場合は、さらに深い下落に繋がる可能性があります。$0.245を明確に割ると、$0.22〜$0.23が注目され、投資家心理に悪影響を与えかねません。
ENAの今後の展望
総じて、Ethenaの価格は新たなトークンリリースを控え重要なレジスタンスライン付近で踏みとどまっています。最近の取引動向は慎重さと勢いの鈍化を示していますが、過去の経験から大規模な供給増にも市場は耐えてきました。
今後数日が、ENAが$0.25付近のサポートを維持し反発の勢いをつけられるかの鍵となります。売り圧力が和らげば、$0.28以上への回復が見込まれます。
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