
SECによるRippleへの訴訟が取り下げられ、XRPは11%上昇
XRPは、SECとRipple Labsの長年にわたる争いが和解したことで、11%上昇し3.35ドルとなりました。Rippleの最高法務責任者であるスチュアート・アルデロティ氏は、8月8日に和解を確認し、前日に米国連邦控訴裁判所第2巡回区での控訴取り下げの申立てが行われていました。
市場は即座に反応し、XRPの24時間取引高は約176%急増しました。多くの投資家や機関にとって、この取り下げは2020年からXRPを取り巻いていた大きな障害が取り除かれたことを意味します。
約5年にわたる不確実性が解消
この訴訟は、2020年12月にSECがRippleがXRPを証券登録せずに13億ドルを調達したと主張したことから始まりました。RippleはXRPは証券ではないと反論し、その後数年間にわたり裁判や判断が繰り返されました。
2023年7月、アナリサ・トレス判事は混合判決を下しました。機関投資家向けのXRP販売は証券取引と認定された一方で、一般投資家向けの公開取引所での販売は証券にあたらないとしました。この部分的な勝利により長期の控訴が続くこととなりましたが、今回の和解で決着しました。
和解内容は以下の通りです:
- SECは2023年の小口販売に関する判決の控訴を取り下げた。
- Rippleは機関販売に関する反控訴を取り下げた。
- 両者はそれぞれ自分の法的費用を負担する。
また、2023年6月からエスクローに預けられていた1億2500万ドルが解放され、うち5000万ドルは罰金として米財務省に支払われ、残り7500万ドルはRippleに返還されます。機関向けのXRP販売に対しては恒久的な差止命令が引き続き適用されます。
市場および業界への影響
XRPが3.35ドルまで急上昇したのは、単なる法的な明確化による安心感だけではありません。米国内外の市場でトークンの潜在力に対する信頼感が復活したことを示しています。数年間、未解決の訴訟は銀行、決済プロバイダー、一部の取引所がXRPを全面的に採用するのを妨げてきました。
公開販売が非証券であることが確認されたことで、機関投資家の採用が加速する可能性があります。市場関係者は、Rippleが創業以来推進してきたクロスボーダー決済のために、決済プロバイダーがXRPの利用をより積極的に検討するだろうと指摘しています。
先物トレーダーも素早く反応しました。Coinglassのデータによると、訴訟取り下げの1週間前にXRPのオープンインタレストが7.8%増加しており、良好な解決を期待していることがうかがえます。オプション市場でも活動が活発化し、今回のラリー中に2800万ドルの清算が発生しました。
XRPは現在、7月に到達した3.60ドルという重要な抵抗線に迫っています。テクニカル指標では、XRPは7日間単純移動平均線(SMA:3.08ドル)および30日指数移動平均線(EMA:2.97ドル)を上回って終了しており、強気のパターンを示しています。ただし、相対力指数(RSI)が66とやや買われすぎに近い状態であることも示唆されています。
他のトークンへの影響は?
Rippleの和解は、SECの暗号資産規制の執行方針が変わりつつあることを示しています。CoinbaseやKrakenの事例でも同様の変化が見られ、新たに就任したポール・アトキンス議長のもとで規制が緩和されているとみる向きもあります。
もしこの方針が正式に確定すれば、デジタル資産をめぐる米国の規制環境は大きく変わり、市場発展を妨げてきた法的な不確実性が軽減される可能性があります。XRPに関しては、以前に上場廃止となった取引所が再び取り扱いを検討し、流動性や流通性が改善されることも考えられます。
現在、業界は8月15日までに発表されると予想されるSECの最終和解条件を待っています。これにより、同様のケースを今後どのように取り扱うかがより明確になるでしょう。
XRPの今後の展望
XRPの急騰は注目に値しますが、その持続性は市場心理や暗号資産全体の動向に左右されます。3.60ドルの抵抗線を突破すれば、4ドル台を目指す展開も期待できますが、勢いが失速すると上昇は鈍る可能性もあります。
今回の訴訟取り下げにより、米国史上最も注目された暗号資産の法的争いの一つが終結し、XRPの成長に対する大きな障壁が取り除かれました。これは法的判断が個別トークンおよび業界全体の市場動向をいかに迅速に変えるかを示す好例と言えます。
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