イーサリアム、ガスリミット8000万で1月にスピード向上の可能性

イーサリアムは、来年初めにガスリミットを6000万から8000万へ引き上げることで、ネットワーク容量を拡大する計画です。この調整により、1ブロックあたりで処理できるトランザクション数が増え、混雑の緩和が期待されます。他のレイヤー1ネットワークの方が高速な場合もありますが、イーサリアムは段階的なアップグレードを通じて、セキュリティと信頼性を維持しています。

イーサリアムの新たなガスリミット

ガスリミットは、1つのイーサリアムブロックが処理できる計算量の上限を定めるものです。これを8000万に引き上げることで、より多くのトランザクション、スマートコントラクト、ロールアップを1ブロックに含めることが可能になります。ユーザーにとっては、承認時間の短縮や手数料の低下につながる可能性がありますが、一部の代替チェーンが提供するような極端な高速性には及びません。

It's done - the Ethereum L1 gas limit is now 60 million!

Onwards to even greater increases in 2026 - let's aim for at least a 3x to 180 million! https://t.co/nr2F5QkbhC pic.twitter.com/5eC9yfMHte

— sassal.eth/acc 🦇🔊 (@sassal0x) November 26, 2025

イーサリアムはスピードだけでなく、一貫性と信頼性も重視しています。容量を段階的に引き上げることで、分散性を犠牲にすることなく、すべてのノードが問題なく追従できるようになります。このような慎重で段階的な改善は、長期的に見ると大きな効果をもたらします。

分散型アプリケーションが増える中、より多くの処理をこなせるブロックの重要性は高まっています。この変更は、最速のレイヤー1チェーンほど派手ではないものの、暗号資産エコシステムにおけるイーサリアムの役割をさらに強化するものです。

引き上げ前に必要な技術的ステップ

イーサリアムがガスリミットを8000万に引き上げるには、2つの重要なアップデートが必要です。1つ目は実行レイヤーにおける部分的なブロブレスポンス、2つ目はコンセンサスレイヤーでの最大ブロブフラグです。これらの更新により、「ブロブ」と呼ばれる大容量のオフチェーンデータを、より効率的に処理できるようになります。

ブロブは、トランザクションやロールアップのデータをチェーンに過度な負荷をかけずに保存する仕組みです。これによりガス代が抑えられ、スループットも向上し、開発者とネットワーク運営者の双方にメリットがあります。

これらのアップデートは、イーサリアムのBPOハードフォークの一環です。12月9日の最初のフォークではブロブ容量が66％増加し、1月7日の2回目ではさらに拡張される予定です。これらを通じて、より高いガスリミットに備えつつ、安全にパフォーマンスを向上させています。

イーサリアム容量に対する長期ビジョン

今回予定されているガスリミットの引き上げは、イーサリアムが実行能力を拡大していく戦略の一部です。2025年には、2月に3000万から3500万、7月に4500万、11月には6000万へと段階的に引き上げられてきました。開発者は、2026年末までに1億8000万を目標としています。

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8000万に達しても、イーサリアムは一部の競合と比べて速度や手数料で劣る可能性があります。それでも、この引き上げは、決済および実行レイヤーとしての信頼性をさらに強化するものであり、企業や大規模なdAppにとって重要です。

分散性を犠牲にして速度を追求する新興レイヤー1とは異なり、イーサリアムは小さく安全な改善を重ねる方針を取っています。これにより、強みを維持しつつ、ユーザー体験を着実に向上させています。

イーサリアムの次のステップ

All Core Developersは、2回目のBPOハードフォーク後、1月5日に再集結し、ガスリミット引き上げの正式な日程を決定する予定です。このアップデートにより、トランザクション速度の向上、手数料の低下、dAppやロールアップ向けの容量拡大が期待されます。これは、基本原則を守りながら競争力を維持する、イーサリアムの着実なアップグレード姿勢を示しています。