
ビットコインからイーサリアムへ大口投資家がシフトし、イーサリアムが回復に向けて動き出しています。
今年の厳しいスタートを経て、イーサリアムは回復の兆しを見せています。大手資産運用会社やETF、機関投資家からの支持が拡大していることが後押しとなっています。市場はまだ慎重なものの、長期投資家の間でイーサリアムへの関心が高まりつつあるようです。
執筆時点で、ETHは約2,645ドルで取引されており、本日は1%以上、過去1週間で0.6%の上昇を見せています。さらに、第一四半期に45%下落した後、過去1ヶ月間で45%以上急騰しました。回復はまだ続いていますが、これは短期的な反発というより、より広範な市場の見方の変化を示し始めています。
機関投資家によるETH保有の増加
大手機関は暗号資産戦略を調整しているようです。6月3日にLookonchainが共有したデータによると、ブラックロックとフィデリティは合わせて1億8,000万ドル相当のビットコインETFを売却し、その資金をイーサリアムに振り向けました。約3万ETH(約7,800万ドル相当)を購入しており、単なるリバランスに留まらず、イーサリアムへの信頼が高まっていることを示唆しています。
これは単発の出来事ではありません。SoSoValueのデータによれば、同じ日にイーサリアム関連のETFには1億900万ドルの資金流入がありました。市場がまだ回復過程にある中での大きな動きです。この背景には、イーサリアムがステーキング報酬を生み出せるという大きな利点があり、規制当局もステーキング関連の金融商品承認に近づいているようです。
この流れはイーサリアムの見られ方を変えています。単なるスマートコントラクトのプラットフォームではなく、伝統的な金融機関が保有を検討する収益源となっているのです。機関投資家が暗号資産から撤退するのではなく、むしろ資産を動かしている事実は、彼らが長期的に信頼している資産を示しています。
企業によるETH需要の拡大
イーサリアムが企業の資産として徐々に浸透しつつあります。ナスダック上場企業のSharpLink Gamingは最近、4億2,500万ドルの資金調達を行い、イーサリアムを長期投資として購入開始を発表しました。資金調達ラウンドはConsenSysが主導し、イーサリアム共同創設者のジョセフ・ラビン氏がSharpLinkの取締役に加わるなど、イーサリアムコミュニティからの強力な支援も見られます。
また、英国のAbraxas Capitalもイーサリアム保有額を8億ドル以上に増やしています。これらの動きは短期的な投機ではなく、ETHを価値の保存手段かつ有用な資産として活用する戦略の一環です。この流れはMicroStrategyがビットコインを初めて導入した際と似ていますが、イーサリアムはステーキング報酬の獲得や幅広い用途により、より柔軟な資産と言えます。
イーサリアムは多機能な金融資産へと進化しています。プログラム可能で利回りを生み、企業の準備金としてだけでなく、分散型金融(DeFi)にも参加可能です。この変化は今後数ヶ月で金融戦略における重要な役割を果たす可能性があります。
ETHの主要なテクニカル指標
イーサリアムの価格は強いポジションを示していますが、まだ本格的な上昇には至っていません。5月29日の高値2,771ドルから2,482ドルまで下落した後、すぐにサポートを見つけて反発し始めています。現在は10日間EMA(2,585ドル)と20日間SMA(2,568ドル)をわずかに上回っており、200日間SMA(2,676ドル)付近に抵抗が存在します。
RSIは62.3で中立的な位置を示し、買われ過ぎでも売られ過ぎでもありません。ストキャスティクスRSIは26.5で、まだ勢いが増す余地があります。ボリンジャーバンドは収縮しており、これはブレイクアウト後のボラティリティ上昇を示唆します。
もし日足で2,700ドルを明確に突破できれば、2,800ドルまで戻る道が開けます。一方、2,500ドルを割り込むと、30日EMA(2,447ドル)まで下落する可能性があります。市場全体に急激な逆転がない限り、イーサリアムは急落するよりも価格の調整を続ける可能性が高いでしょう。
ETHの見通し
大口投資家や企業からの関心が高まる中、イーサリアムは着実に回復しています。多くの機関投資家がビットコインからイーサリアムへ注目をシフトさせており、ステーキングのインセンティブや幅広い金融資産としての役割がその理由です。
2,700ドル付近の抵抗に直面しているものの、現在の価格動向は前向きです。サポートを維持しつつ上昇できれば、これまでの強い回復を土台にさらに上昇トレンドを築いていく可能性があります。
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